腹痛
腹痛は腸だけでなく他の臓器の炎症や神経や血管の障害などによって起こっている可能性があります。腹痛を起こす可能性の高い臓器を下記にまとめています。実際には問診、視診・聴診・触診、検査によって診断し、適切な治療につなげます。
痛みの症状
痛む場所 | 痛みのもととなる臓器 |
---|---|
お腹の真ん中から上部にかけての痛みの場合 | 心臓、胃、十二指腸、膵臓 |
右側の痛み | 胆のう、腎臓 |
左側の痛み | 腎臓 |
下腹部の真ん中の痛み | 子宮、卵巣、大腸、小腸 |
下腹部右側の痛み | 盲腸、小腸 |
下腹部左側の痛み | 大腸、小腸 |
検査には超音波検査、胃カメラ、大腸カメラ、レントゲン検査、心電図で精査を進めていきます。
CT等が必要と判断した場合は連携病院へ紹介を行っております。
感染性胃腸炎について
主な症状は、吐き気・嘔吐・下痢です。
ロタウイルス
乳幼児期にかかりやすい感染症で、一般的に子どもは5歳までにロタウイルスに感染するとされています。急性の胃腸炎を起こしますが、感染力が強くわずかなウイルスによって発症することがあります。主な症状は水のような下痢、吐き気と嘔吐、発熱、腹痛で、感染回数が増えると症状が弱くなる傾向があり、最初の感染では特に強い症状を現します。そのため、乳幼児は激しい症状を現します。脱水がひどく口からの水分補給が難しい場合は入院の必要があります。一方、成人はロタウイルスによる感染を繰り返しているため、感染しても症状を起こすことはほとんどありません。
大人の胃腸炎の場合はノロウイルスの可能性があります
ノロウイルスは通年発生する感染性胃腸炎や食中毒ですが、発症が多いのは冬季です。経口感染は汚染された手指や食品を通じて起こり、ウイルスが腸管で増殖します。主な症状は、吐き気・嘔吐・下痢・腹痛です。健康で免疫力が高ければ軽症ですみますが、子どもや高齢者、疲労や睡眠不足で免疫力が落ちている場合には重症化することがあります。また、乳児の場合は嘔吐物が気管に詰まって窒息することもありますので注意が必要です。
ノロウイルス、ロタウイルスによる胃腸炎の治療は輸液などの対症療法に限られます。
検査
3歳未満、65歳以上の患者様の場合、検査は健康保険が適用されます。
それ以外の方はご相談ください。また、食品関係のお仕事をされている場合は、必ずお申し出ください。
当院で可能な検査
- ノロウイルス抗原検査キット
- ロタウイルス抗原キット