胃カメラ検査とは
胃カメラ検査は、上部消化管である食道・胃・十二指腸の粘膜を観察できる検査です。さらに、観察の際に疑わしい部分を発見したら、その場で組織を採取できるため、確定診断が可能です。胃カメラはスコープの先にCCDカメラと光源がついていて、リアルタイムで粘膜を観察することが可能です。また狭帯域化された光を用いた観察法がカメラに搭載されているため、通常観察よりもより詳細な病変の発見・観察につながっています。スコープはしなやかでデリケートな動きが可能なため、お身体にかかる負担も少なくなっています。
胃カメラ検査というと舌の根元に当たって強い嘔吐感を起こすことで苦手意識がある方が多いと思われますが、当院では極細のスコープを導入して口からでも鼻からでも挿入する経鼻検査が可能です。また、軽い鎮静剤を用いてウトウトしている間に検査を受けていただくこともできます。(年齢制限は設けております。)
当院の胃カメラ検査の特長
特長1、極細スコープで苦しくない経口内視鏡(経鼻内視鏡)
従来の経口内視鏡では、口からスコープを挿入する際に舌の付け根にスコープが触れると嘔吐反射を起こして苦しい思いをされるケースが多くありました。当院では、経鼻内視鏡で用いる直径5ミリ程度の極細スコープを口より挿入することで、挿入の苦痛を抑えるようにし、内視鏡検査を行っています。患者様の要望により、お鼻から胃カメラをすることも可能です。
特長2、富士フィルム社製の内視鏡システムを導入
微細な病変も観察することが可能な次世代内視鏡システム、富士フィルム『6000システム』を導入しています。6000システムには、ハイビジョン画像での観察はもちろん白色光レーザーと短波長レーザー、2種類の異なるレーザー光が搭載されているので、粘膜病変の周囲に集まりやすい表面血管をより効果的に観察することが可能となりました。さらに、BLI(Blue LESER Imaging)と呼ばれる独自の画像処理技術により、目的に合わせた適切な画像が得られるので精度が高く見逃しが少ない検査が可能です。
画像処理の際に赤みのコントラストを強度表示することができるLCI(Linked Color Imaging)技術により、粘膜の炎症状態も正確に観察することができます。BLIやLCIの技術を組み合わせることで、より正確な診断を行うことができます。
特長3、鎮静剤、鎮痛剤を用いて苦痛を抑えた検査
患者様にリラックスして検査を受けていただくために、鎮静剤・鎮痛剤を用いて検査を行うことが可能です。ウトウトと眠っている状態で検査を行うので、痛みを感じることなく楽に検査が受けられます。
特長4、女性の内視鏡専門医による丁寧な診察
すべての内視鏡検査を日本消化器内視鏡学会専門医の資格を持つ女性医師が行います。豊富な検査実績と経験により、不快感や苦痛を抑えて安全で丁寧な検査を行っています。女性医師が行うので、女性の方も安心して検査が受けられます。
特長5、日曜の内視鏡検査に対応
平日は仕事や育児で忙しいため、検査を受けることが難しい方のために、日曜日も内視鏡検査を受けられる体制を整えております。平日にお越しいただくことができない方も、安心して日曜日に検査が受けられます。
特長6、リクライニング式ベッドでリラックスした状態で麻酔をうけられます
内視鏡検査を行う際のベッドは、リクライニング式になっています。麻酔から検査まで楽な体制のままリラックスした状態で検査をうけることができます。
特長7、検査後はリカバリースペースでお休みいただけます
鎮静剤を使用して検査を行った後は、リカバリースペースでゆっくりと体を休めていただくことができます。リカバリースペースで鎮静剤が体から抜けるまでリラックスしてお過ごしいただけます。
特長8、検査毎に徹底した消毒で感染予防
内視鏡検査で使用した機器は、日本消化器内視鏡学会のガイドラインに沿って検査毎に洗浄・消毒をしっかりと行っています。患者様に安心して検査を受けていただくために、専用の洗浄機を導入して、検査のたびに完全洗浄・消毒を行い感染予防に努めております。
特長9、内視鏡検査中は、お子様をお預かりできます
小さなお子様がいて、なかなか検査を受けることが難しい方のために、検査中にお子様をお預かりすることができます。子育て世代のお父さん、お母さんが気軽に安心して内視鏡検査を受けていただくために、別室でお子様をお預かりする体制を整えております。
胃カメラ検査を受けるタイミング
胃がんは発症率や死亡率が高いがんですが、早期の胃がんは自覚症状がほとんどありません。食道がんも同様です。かなり進行してから自覚症状が現れることが多いのですが、早期発見ができればお仕事や日常に影響なく完治可能な病気です。食道がんや胃がんの早期発見に唯一有効な検査は胃カメラ検査です。そのため、定期的に胃カメラ検査を受けることで早期発見が可能になります。
40歳を過ぎたら一度検査を受けましょう
胃がんのリスクが上昇しはじめるのは40歳を超えた頃です。特に症状がなくても、40歳を超えたら、1度胃カメラ検査を受けることで早期発見につながります。胃に症状がある場合や、ご家族に胃がんになった方がいるなどリスクが高い場合には40歳を待たずに検査を受けてください。
胃カメラ検査では、粘膜を直接観察できるだけでなく、組織の採取も行えるため、別日の検査を行わすに確定診断が可能です。また、観察できるのは食道・胃・十二指腸だけでなく、喉の観察も可能です。そのため、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、十二指腸潰瘍、十二指腸がんなどの早期発見や確定診断にもつながります。
胃カメラ検査でわかる疾患
胃カメラ検査で疑わしい部分があったらその場で組織を採取し、病理検査によって確定診断が可能です。アニサキス症では、アニサキス自体を除去する治療まで行えます。
胃の病気
- 胃がん(早期、進行、スキルス)
- 悪性リンパ腫
- 胃炎(表層性、萎縮性、鳥肌)
- 胃腺腫
- 胃潰瘍
- 胃粘膜下腫瘍
- 胃ポリープ症
- 胃静脈瘤
- 胃室
- アニサキス症
十二指腸の病気
- 十二指腸がん
- 十二指腸潰瘍
- 十二指腸ポリープ
食道やのどの病気
- 食道がん
- 逆流性食道炎
- 食道裂孔ヘルニア
- 食道・咽頭乳頭腫
- 食道静脈瘤
- 食道粘膜下腫瘍
- 食道異物
- 咽頭がん
胃カメラ検査の流れ
Step.1ご予約
インターネットや電話で事前にご予約を取ることも可能ですし、受診していただいて当院で予約を取ることも可能です。
服薬をされている方は必ず薬の名前がわかるものを全てお持ちください。お薬手帳をお持ちでない方は、実際に服用されている薬をお持ちいただいても構いません。特に抗凝固薬は、検査日より前に内服を中止していただく必要があります。なお、ご予約のキャンセルや変更はできるだけ早めにご連絡ください。無断のキャンセルは他の患者様にご迷惑をおかけする可能性がありますので、頻回にありますと、以降のご予約をお断りすることがあります。あらかじめご了承ください。
Step.2検査前日
夕食
消化の良いものを腹6分目程度に食べます。夜9時以降は検査終了まで絶食です。
水分摂取
検査当日のご来院前まで、水や薄いお茶など透明なものでしたら飲んでも大丈夫です。
服薬
ご予約の際に指示された内容を守って服薬・休薬してください。迷ったら飲まずにお電話でご連絡ください。改めてご説明しますので、遠慮なくご連絡ください。
Step.3検査当日
朝食はとらずにいらしてください。水分はご来院まででしたら、水や薄いお茶など透明なもので補給してください。
服薬はご予約の際に指示された内容を守って服薬・休薬してください。午後の胃カメラ検査をされる方は、別に指示をさせていただきます。
Step.4ご来院
ご予約時間の少し前にご来院して、受付にお声がけください。
なお、鎮静剤使用の検査を受ける場合、ご帰宅時に運転ができません。公共交通機関を利用されるか、ご家族などの送迎でいらしてください。
Step.5検査
鼻や喉に局所麻酔を行ってから検査となります。鎮静剤を用いた検査の場合もここで投与します。検査は5~10分程度で終了します。
Step.6検査後
しばらくお休みいただいて麻酔の影響がなくなったことを確認します。経鼻検査・経口検査ともに検査後1時間程度してから水分摂取が可能になります。はじめは少量の水を口に含んで慎重に飲み込んで様子をみます。
検査結果は当日に検査画像をご覧いただきながらくわしくお伝えしています。後日改めての説明をご希望される場合にはご相談ください。なお、必要があれば薬の処方を行うこともあります。
胃カメラ検査の費用
健康保険適用で3割負担の例 | |
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事前診療(初診料、内視鏡検査に必要な薬剤、血液検査) | 約2,000円~約3,500円 |
内視鏡検査(検査のみ) | 約4,000円 |
内視鏡検査(組織を採取して検査を行った場合) | 上記に加えて約5,000円~7,000円かかります。 |
※組織採取やお薬の処方があった場合の検査日は、15,000円程度ご用意いただけると安心です。