脱毛の基礎知識
実は、毛には皮膚から出て目に見える部分「毛幹」と、皮膚の中にあって目に見えない「毛根」の2つがあります。この「毛」を作り出しているのが、「毛根」です。球状に膨らんだ毛根の根元は「毛球」と呼ばれ、毛球の内側にあるのが「毛乳頭」です。この毛乳頭は、主に毛細血管が運んでくる栄養分を取り込むことで、毛球の内部にある「毛母細胞」に与えています。栄養分を受け取った毛母細胞は、分裂を繰り返して細胞を押し上げ、毛が成長するという仕組みになっています。この「毛」には、発毛と脱毛を繰り返す毛周期があり、「成長期」→「退行期」→「休止期」の大きく分けて3つの段階の周期が存在します。
成長期:毛が成長する期間
毛根にある黒い色素(メラニン色素)に反応して、レーザーの熱が蓄積されることで、他の皮膚組織にダメージを与えることなく脱毛が可能です。
退行期:成長を終えて、毛が抜け落ちるまでの期間
この時期の毛にレーザーを照射しても、一時的には毛は抜け落ちても、毛根の持つ毛の再生能力にダメージを与えることが難しいため、永久脱毛をすることはできません。
休止期:次の成長を始めるまでの、活動を停止している期間
この時期は毛が生えていないため、レーザーが反応せず、脱毛の効果はありません。
この毛周期に合わせてレーザー照射を行うことで、脱毛効果を実感していただけます。ちなみに、私たちが目視できる毛(皮膚の表面に露出している毛)は、毛全体の約30%ともいわれています。そのため、たとえ照射をしても残りの70%の毛には照射されないので、全てを脱毛することはできません。そのため、2回目の脱毛では、レーザー反応しなかった毛(退行期や休止中の毛)が成長期になるまで待ち、1回目に反応しなかった毛にレーザー照射を行います。こうすることで、少しずつ毛の量が減っていくため、脱毛施術にはどうしても複数回のレーザー照射が必要となります。ちなみに、どの程度の期間で脱毛施術が完了するかは、患者様のご体質や照射する部位によって異なりますが、おおよそ1年程度で終了します。
ちなみに、自己処理を続けていると、こんなトラブルにつながります
1. 毛が皮膚の下に・・・
かみそりやシェイバー、毛抜きなどを使って自己処理を続けた際によく見られるケースですが、毛が皮膚の下に埋まってしまい、それが炎症を引き起こし、皮膚組織にダメージを与えてしまいます。この埋没毛の対処はとても大変ですが、放っておくと色素沈着が残ってしまうこともあるため、とても厄介です。
2. お肌の色素が沈着・・・
ワキなどの肌の色素沈着が起こりやすい部位では、ムダ毛の処理によってお肌が黒ずむことがよくあります。ワキに限らず、発毛の多い部位は、炎症や刺激によってメラニン細胞の活動が活発になってしまい、色素沈着が起こりやすい状態になりやすいです。
3. 肌荒れや乾燥を・・・
自己処理のせいでお肌を守ってくれる角質層がダメージを受けることで、お肌を正常に保っている機能が弱まり、肌荒れを引き起こすことがあります。また、元来備わっているバリア機能も弱まることで、お肌の乾燥を招き、その乾燥が肌荒れをさらに悪化させるという悪循環に陥ってしまいます。